町かどタンジェント（まちカドまぞくOP）のBメロ頭のコードはなんなの！？！？！？
みなさんこんにちは。相川結月です。
今期は「まちカドまぞく」が放送されています。
ある日突然魔族の力に目覚めた吉田優子（真名：シャドーミストレス優子）が一族の封印を解くために町の魔法少女である千代田桃と戦ったり共闘したり眷属にしようとしたり夕ご飯を作ったり新しい命を誕生させたりする漫画です。全巻読め。
僕は2巻と3巻を10回ずつ読んで14回ずつ泣きました。
アニメを放送しているということは、主題歌があります。
まちカドまぞくの主題歌は
OP：町かどタンジェント （歌：shami momo（吉田優子・千代田桃／CV：小原好美・鬼頭明里） 作詞・作曲・編曲：辻林美穂）
ED：よいまちカンターレ （歌：コーロまちカド 作詞：伊藤いづも 作曲・編曲：藤本功一）
となっています。
EDは作詞が作者です。
さて、このOPの「町かどタンジェント」ですが、初めて聞いたとき、衝撃を受けました。
どこにって？
Bメロ頭のコード進行にですよ！！！！
（0:36頃です）
コード進行の感度が高い人だと、その圧倒的な浮遊感、そして衝撃を感じていただけることでしょう。
それはまるで金属バットで頭を強打されて一瞬で意識を失うぐらいの感覚です。
言うなれば死の快楽。
ここのコード進行はどうなっているのでしょうか？
Aメロ後半（ゆらゆら揺れる前髪）からのコード進行は以下のようになっています(ChordWiki参考)
(F Major)
BbM7 | | Am7 | Dm7 | Em7 | | Em7/A |
Bメロ (D Major)
BM7 | Em9 | Em7/A | DM7
このBメロ頭のBM7がキモになっています。
順番に読み解いて行きましょう。
前半の
BbM7 Am7 Dm7
はF MajorでのIVM7 IIIm7 VIm7であり、とくに珍しい進行でも無いですね。
その後の
Em7
ですが、平行調のDメロディックマイナーにおけるIIm7となります。次の
Em7/A
は、同様にDメロディックマイナーでのIIm7/Vで、役割としてはV7かV7sus4に近いものになります。つまり、ドミナントのコードになるので、聞いている方からすると
「次はDマイナーかDメジャーに転調するのかな？」
という期待をさせます。
そして、Bメロに入るのですが、ここで
BM7
が登場します。
BM7の次のコードがEm7で、その後はD Majorのコード進行になっているので、大局的にはF MajorからBメロでD Majorに転調したものと考えられます。
短三度上下の転調は、平行調の考えを使うと割と簡単に転調できるので、この転調はわかりやすいですね。
しかし、このBM7はD Majorのダイアトニックコードではありません。
さらに、そこで鳴っているスケールを鑑みると、このBM7はトニックとして（IM7として）使われています。
つまり、この小節だけB Majorに転調しています。
直前にD Majorへの転調を予期させていますが、それを裏切りB Majorに転調することで浮遊感が生じているのです。
ここで大胆に
「D Majorへの転調を予期しているんだから、もうD Majorに転調したことにして良くない？」
という考え方をしたとしましょう。
そうすれば、D Majorのさらに平行調メジャーであるB Majorに転調しても良いんじゃ無い？？？？？？？？
いいんです。
そう考えればBM7について説明できますね。
ただですよ……？
その後のEm7が意味分からなく無いですか？というかD Majorに戻るの大変じゃ無いですか？
ちょっと無理矢理感が出ちゃうんですよね。
そこで、Em7をB Majorのサブドミナントマイナー(IVm7)と考えましょう。
そうすれば割とナチュラルにEm7を説明できます。
さらに、このEm7を同時にD Majorのサブドミナント(IIm7)と考えましょう。
そうすることでEm7をピポッドコードとしてD Majorに転調できます！やったぜ！
この曲は、ここ以外にもいろいろエモいコード進行とか転調とがあるので、是非CD買ってフルで聞きましょう！
あと原作はマジでストーリーがきららにとどまらないレベルで時系列を通して有機的に結びついているので、最高。最高。マジ。買え。
では。
