乗ってけ!ジャパリビートのコードを見てみる。
ご挨拶
お久しぶりです!相川結月です。
最近のことと言えば、ボカロを始めました。結月ゆかりさんと紲星あかりちゃんを迎え入れました。た~のし~!!!
ん?た~のし~?
どこかで聞いたことが……!!!!!
コツメカワウソちゃん!!!!
2話の次回予告はジャガーさんでしたね。
というわけで……はないのですが、けものフレンズ2のOPテーマ『乗ってけ!ジャパリビート』のコードがなかなかエモい感じだったのでさらっと解説していきたいと思います!難しめなコードも多いので、わかりやすいようにかみ砕くようにしていきます。
もってけ!セーラーふくを思い出した人は後で体育館裏な。
今回、コード進行はchordwikiに投稿されていたものを利用します。そちらも見ながらよんでいってください。
イントロ
イントロ部分は始め
F Abdim Gm7 Gbaug7
を繰り返します。
dimやaugが出てきてギョッとする人もいるかもしれませんが、AbdimはF→Gm7を繋ぐために挿入された和音、またGbaug7はC7の裏コードの類いになるので実質
I IIm V7
を繰り返してるのと同義です。
ここ電話きたのかと思うよね。
3小節目は4つ目のコード進行のみ変化して
F Abdim Gm7 Caug/Gb
となります。出ました!イキスギコードです!
これはVaug/IIbの形ですね。数あるイキスギコードの種類の中では一番自然な類いになるんじゃないでしょうか。
V7のドミナントの役割を果たしつつ、その裏ノートであるIIbをベースに配置し、その直後のIへの動きを強調する役割があります。(ただし今回はIに戻らない)
Blackadder chordってのが一応広めていきたい正式名称らしいですよ。
4小節目は
Gm7/C Caug/Gb F
です。はじめのGm7/Cは5度の堆積を基調とした実質Csus4です。前に「Moon!!」の解説をしたときに詳しく語ったので、そちらを参考にしてください。
aikawa-yuduki2240.hatenablog.com
その後のイキスギコードは今度こそ次のF(Iのコード)に移行します。
Aメロ
Aメロ前半では
F | Bdim7 C7 | F | Bdim7 C7(b13) | F | Bdim7 C7 | Am7-5 D7
というコード進行になっています。
基本的にはF Bdim7 C7の繰り返しにテンションがくっついた感じですね。
この
F Bdim7 C7
ですが、Bdim7がG7(b9)と同じ役割となるので、IIの代理コードと見なすことができます。なので単純化するとI II V7の繰り返しになります。ふつう!
最後の小節はAm7-5 D7となっていますが、I7系のコードになります。その後のIVにつながるダブルドミナント達ですね。
V7 I7 IV7 の始め二つがそれぞれ代理コードになった
IIIm7 VI7 IV7の、IIIm7がよりVI7を引き出すようにVIの-9の音を含んだIIIm7-5に変化した形だといえます。
Aメロの後半は
BbM7 Eb7 | Am7 F#dim7 | Gm7 BbM7 | BbM7/C C7(-9 13)
となっています。
前半2小節については
IVM7 VIIb7 IIIm7 I#dim7
となりますが、VIIb7はIVmの代理コード、I#dim7はほぼVI7(-9)なので(暴論)
IVM7 IVm IIIm7 VI7
と解釈できます。また、IVmですが、これは役割としてはV7に近いものになっています(IVとVIbの音がそうさせてるらしい)ので、いっそV7にしてしまいましょう。そうすると……
IVM7 V7 IIIm7 VI7
……こ、これは……!!!
王道進行だァァァァァァッ!!!!!
少し強引ですが、こういう解釈もできると思います。
後半2小節は
IIm7 IVM7 IVM7/V V7(-9 13)
となっています。
IVM7/Vは先ほどのIIm7/Vと同じです。
IIm7からIVM7の進行が若干不可解ですが、基本的には単純なツーファイブとなります。
最後のコードのV7(-9 13)ですが、ここ、13が-13じゃないのエモい……(感想)
1期OPでもwelcome to the ジャパリパークの「パー」の部分が13の音でしたね。ドミナントで13ってVIIの音とぶつかるから使うの難しいんですが、その音をあえてメロディーで持ってくるのすっごーい!!
その後は繰り返し、最後の2小節はイントロ終わりと同じになります。
Bメロ
Bメロは短いですがなかなか難しく、
G7/B Bb6 | N.C. | Gm7 DbM7(omit5)/G | C
となっています。
G7/B Bb6が割と不可解に感じます。つまりはG7/B G7m/Bbと書き表せられるのですが、ノンダイアトニックコードから同主音のダイアトニックコードに戻る動きはあんまりよくないみたいな話を聞いたことがあるので……
これについて詳しい方いらっしゃったら教えてください。
後半はなんかごちゃごちゃしてますがDbM7(omit)/GというよりはむしろGm7-5(11)になると思うので、その後のCと併せて、ツーファイブの変形と解釈できます。
サビ
めっちゃすこ
めっちゃすこです。マジ。
いや~。ああ。すこだわぁ~。涙出てきた。
サビ1小節前と始め2小節。
C7 | FM7(9) | Eb D7
Bメロのドミナントをそのまま引き継いでアウフタクト的にサビに突入します。はじめはIM7(9)。自分は結構IM9って書きがち。こういうブレが未だに存在するの解せないよね。しかもメロディが9の音を持ってます。えもい!!!
次の小節ですが、EbはAメロ後半で出てきたように、Bbmの代理コードとなり、ついでにV7みたいな感じになっています。そして、D7はIの代理コードになるので、極端に単純化すると
I V7 I
の動きになります。
それでいて、ベースの F→Eb→Dの順次進行とA→Bb→Aの動きがいい味出してる変形になっています。
その後2小節は
Gm7 | BbM7/C C7
となっていて、これは前も説明したようなツーファイブです。
そしてその後2小節。ここが一番好きなんだ!
Am7-5 D7 | Gm7 Bbm7/Db
はじめの小節はAメロにもあったコード進行で、IIm7に続くセカンダリードミナント達です。そして、後半の二つ目はIVm7です。これは何回もいってますが、V7感の強いコードなので、前のIIm7、そして後のIに自然に作用します。
これ、IVm7をV7とするのは少し強引であるにせよ、少なくともその前3つのコードはすべてツーファイブの動き、つまりダブルドミナントの連続になっています。また、IIIm7-5はI7の代理コード的な役割もあるので、そう考えるとその前のG7もダブルドミナントと考えられます。そしてその前はツーファイブの動きなので……と考えると、サビ3小節目から7小節目頭まで7回も連続でツーファイブ的な動きをしているということになります!!!
この「これでもか!」と言わんばかりの感情の揺さぶり方。だいすこ。
その後の2小節は
F/C G/B | Gm7/C C7(-9 -13) | (FM7(9))
となっています。はじめの小節はI IIの展開系。そして2小節目の1個目のコードはすでに説明したもので、2つめの和音はV7のテンションがいっぱい付いたコードです。
つまり、単純化すると
I II V7
と書き表せます。が、Gm7/C C7(-9 -13)エモいですよね!
メロディはその後のFM7(9)に向かって G→G#→Aと半音で進行します。
また、C7(-9 -13)がもうエモエモ!ドミナントのオルタードコードの一種ですが、もうたまらんよね。ずるい。
サビの後半は4小節間前半を繰り返した後、
F/C C7 | Bbm/F F
を2回繰り返します。ここは今までの説明を組み合わせればよいと思います。
ここで1期のホルン流すの小粋すぎるでしょ。
アウトロはイントロと同一です。
おわりに
いや~~~。
フルが聞きたい。
「フルルのことよんだ~?」 「ちがうぞ。」
1期のOPも最高でしたが、こういうミュージカル調の曲はオーイシおにいさんの得意分野だそうで。さすがといった感じ。
特に、こういう複雑めのコード進行を使える曲調は限られてくるので1期の時は少し遠慮してたような気もしますが、のびのびと書いていたようで私はうれしい。(何様)
ブラス隊がやりそうな音を「がおー!」がやるとか、1期のホルンを再現したりとか、オーイシおにいさんの持ち味と、アニメとしてのけものフレンズというテーマをうまく両立させた素晴らしい曲だと思います。
(この曲)つくった~~~!!??
おわり
P.S.
執筆時は2話までの放送です。これからどうなっていくんでしょうね。かばんちゃんが頭脳派だったのに対して、キュルルちゃんが芸術派なのかな~という感じですがどう活かしていくのか。たのしみですね!
レッサーパンダちゃんが黒タイツ、前面黒、黒手袋(インナー)とかいう自分の性癖にピンポイントに突き刺さるキャラデザだったので最高。かばんちゃんも手足黒くて好きだったけど、レッサーちゃんは前面も黒いのが高得点。
けもフレは首装備もしっかりしてるキャラが多くて、それも自分の性癖にピンポイントに刺さる。なんなんだこのコンテンツ。